好奇心旺盛で時に突っ走ってしまう山田君と、常に冷静に状況を判断できる佐藤君は高校の親友同士です。
ある日2人は町の外れにある洞窟に幽霊が出るという噂を聞きつけました。
さっそくその日の学校帰りに2人でその洞窟に行ってみることにしました。
まだ日も落ちていない時間帯だったので周りも明るく恐怖心も感じませんでした。
自分たち以外にも噂を聞きつけてやってきた人間がたくさんいるようで既に多くの人間の足跡が残っていました。
「昨日は日曜日だったから近所のガキどもが冒険ごっこでもしに来たんだろ」と山田君が言いました。
せっかくの心霊スポットに多くの人が訪れているということで少し興ざめしてしまった2人ですがせっかくなので中に入ってみようということになりました。
洞窟に足を踏み入れようとしたところでいつも冷静な佐藤君が突然「やっぱり止めよう」と言い出しました。
佐藤君が怖じ気づいたと思った山田君は「なにビビってるんだよ。みんな行ってるんだから大丈夫だよ」と言って先を急ごうとしました。
すると佐藤君が小さな声で「地面をよく見てみろ」と言いました。地面を見た山田君も状況を理解して2人は急いで帰りました。
なぜ2人は洞窟の先に進まずに帰ることにしたのでしょうか?
足跡
洞窟に入っていく足跡しかなかったから。
洞窟の奥まで行ったほかの人たちが無事に帰ってきたのであれば出てくる足跡もなければおかしいです。