秒読小説

記念日

妻に「今日って何の日か覚えてる?」と聞かれた。

僕は慌てて花束を買い、豪華なディナーを予約した。

妻は驚いてこう言った。

「建国記念日って、こんなにロマンチックに祝うものだったの?」

ご一緒に

「ご一緒にポテトはいかがですか?」と店員が言った。

「今日は母も一緒だけど、それでもいい?」と答えた。

長所

面接官に長所を聞かれたので、「諦めが早いことです」と答えた。

「それは短所では?」と言われた。

確かにそうだと思い、僕は面接を切り上げた。

歯医者

歯医者に「痛かったら手を上げてください」と言われた。僕はすぐに手を上げた。

「まだ何もしてませんよ」と言われたので、「昨日から痛いんです」と答えた。

無駄な会議

社長が「業務を効率化するために、無駄な会議をすべて廃止しろ」と命令した。

社員たちは、どの会議が無駄かを決める会議を毎週開くことにした。

アリバイ

疑いの目を向ける刑事に、容疑者は言った。

「夜の10時30分なら、テレビを見てましたよ」

刑事は言った。

「そう焦るな。その死亡推定時刻は、これから話すつもりだったんだ」

心配性

元カレに未練があるんじゃないかと心配する僕に、彼女は言った。

「大丈夫。もう、ただの友達だから」

夜遅く、彼女が無事に帰れたか心配する僕に、彼女は言った。

「大丈夫。友達に送ってもらったから」

幸運の壺

「この壺を買えば、必ず幸せになれます」と占い師は言った。

僕は全財産を払って壺を買い、幸せが訪れるのを待った。

数日後、占い師が幸せそうに海外旅行を楽しむ写真を投稿していた。

願いごと

「どんな願いも一つだけ叶えてやろう」と悪魔が言った。

僕は「一生、お金に困らないようにしてくれ」と願った。

翌朝、僕は世界一の大富豪の飼い猫になっていた。

家族

「社員は大事な家族」と社長が言った。

「じゃあ、なぜ毎日サービス残業なんですか?」と僕は尋ねた。

社長は微笑んでこう言った。

「家族なんだから、水くさいことを言うな」

命名

「お父さん、どうして僕の名前は『一郎』なの?」と息子が尋ねた。

「お前が初めての男の子だったからだよ」と父は答えた。

「じゃあ、99人のお姉ちゃんたちは、どこにいったの?」と聞いたのは、娘の百子だった。

居眠り

「息子さんは授業中、いつも寝ています」と先生は母親に告げた。

母親は不思議そうに答えた。

「家にいるときは、夜でも寝ませんのよ」

賢い犬

「うちの犬は人間の言葉が全部わかるんです」と飼い主は自慢した。

「お手」と言ってみたが、犬は微動だにしなかった。

「知らない人の命令は聞くな、と教えてありますので」

返金保証

「占いが当たらなかったら全額返金します」と占い師は言った。

僕が千円を払うと、「あなたは近いうちに大金を失います」と告げられた。

「外れたら返金してくれますね?」と確認すると、占い師は「はい、ただし返金手数料は一万円です」と答えた。

遺産相続

老人は、最期まで世話をしてくれた者に遺産を譲ると宣言した。

親戚たちは遺産欲しさに、競って老人の世話をした。

おかげで老人は長生きした。

親戚たちの誰よりも。

ランチタイム

「こっちは昼休みが終わっちまうんだよ!」

注文した料理が一向に出てこないことに客が怒った。

「申し訳ありません。本日は料理人が1人しかいないもので…」と店員は謝った。

「そいつは、いったい何をやってるんだ!」

「今、お昼休憩に行っています」

理想の条件

好きな子に理想の結婚相手を聞いてみた。

「絶対に浮気しない人がいい」

それを聞いて、僕はすかさず答えた。

「僕は、一度も浮気をしたことないよ」

「彼女ができたことがないのね」

正直者

「一番の正直者に100万円の賞金をやろう」と王様が宣言した。

国中の人が「私は一度も嘘をついたことがありません」と名乗り出た。

賞金を受け取ったのは「100万円が欲しい」と言った少年だった。

閉店セール

商店街の一角に、三年間ずっと「閉店セール」をしている店があった。

不審に思った客が「いつになったら閉店するんですか?」と尋ねた。

店主は不思議そうに答えた。

「毎日20時に閉店してますけど?」

しあわせな家族

「お父さん、どうして会社に行くの?」と娘が尋ねた。

「お前たちを幸せにするためだよ」と父は優しく答えた。

娘は首をかしげた。「じゃあ、お父さんが会社に行かない日が一番幸せなのはどうして?」